法人情報

2014年度 事業報告

2014年度も賛育会憲章の精神を継承し、その実践に努める職員や関係者の努力、また多くの方々のお支えによりまして諸事業を運営できたことに感謝申し上げます。
以下、概況をご報告申し上げます。

1.役員改選と理事長交代

今年は、役員改選期にあたり、定款細則に定める定年により10年間に渡り理事長を務められた橋本章氏、堀建二理事の2名が退任されました。後任として柳沼恵一氏と岩見宣治氏が5月24日開催の評議員会で選任され、他の理事、監事の方は再任されました。任期は2014年7月1日から2016年6月30日までです。また、評議員の柳沼氏の理事就任により、後任の評議員には、篠原正雄氏が5月24日開催の理事会において選任されました。任期は前任者の残任期間である2014年7月1日から2015年6月30日までです。
7月1日開催の新理事による理事会で、小堀洋志氏が理事長に選出され、新たな体制での理事会がスタートしました。
尚、橋本前理事長は、11月15日開催の評議員会で名誉理事に推挙することが決議され、3月21日に開催された創立記念式典の式場で、委嘱の楯をお渡ししました。
また、9月に逝去された北川吉郎評議員の後任として、10月7日開催の理事会で阿形操氏が選任されました。

2.財務状況全般

法人全体の決算では、収益(収入)は126億1千万円で、概ね前年並みでしたが、当初予算と比較すると4億4千万円の未達でした。主に、賛育会病院入院者数の減、特養及びショートステイ利用率の若干の減によるものです。年度当初から経営改善に向けて、運営の効率化や経費の節減に努めました。なかでも人員体制の見直し、賞与削減等により人件費を削減した結果、経常増減差額は3億2千万円となり、概ね予算通りでありました。
7今後安定した経営を続けていくために、賛育会病院の経営改善の継続、介護報酬のマイナス改定に対応した事業運営構造を構築することが求められています。

3.賛育会病院経営状況

上半期決算では、賛育会病院の経常増減差額が赤字となりましたが、現在の病院の施設・診療設備や医師・看護師などの診療体制の面からみても、当院にはなお十分な改善の余力があるものと認識し、理事会は外部委員を含む特別委員会を設置しました。委員会は、経営改善の方向、方策を協議の上決定するとともに、進捗状況の報告を受けながら、改善の方策について協議・検討を重ねました。
また特別委員会の決定に基づいて、経営改善プロジェクトを病院関係者及び法人事務局職員で組織しました。また、院内に多職種によるワーキンググループを設置し、①ベッドコントロールの効率化②GCU,NICU稼働率強化・母体搬送受け入れ強化③待機者受け入れ態勢の整備④地域病院・診療所との連携⑤診療報酬漏れのチェック⑥救急患者受け入れ率のアップ等に取組みました。その結果、本年度上期の平均入院患者数が136.1人であったものが、下期には151.9人と大幅に増加しました。このようにベッド稼働率が改善された結果、経常増減差額も大幅に減少して年度決算では△6百万円となりました。
今後、プロジェクトで取り組んだことを日常業務として定着させるとともに、残された課題の解決をめざし、更なる改善に取り組んでいきます。

4.高齢者施設運営状況

特養およびショートステイの合計利用率は、96.7%で前年と比べ1%下回りました。各施設とも利用者の重度化に伴い入院者が増加していること、及び一部施設での感染症によるショートステイ一時受入停止による影響です。一方、通所事業は昨年度に比較すると、一般デイ、認知デイとも利用率が向上しております。
特養グループ全体では、収益は66億1千万円となり、当初予算と比較して1億6千万円の未達でしたが、経費削減や人員体制の変更に取り組んだ結果、経常増減差額は、1億9千万円となり、当初予算比6千万円の増となりました。

5.清風園50周年記念式典

7月12日に清風園の50周年記念式典・感謝会を実施しました。記念礼拝、鎌田實氏講演会、感謝会に265名の参加がありました。老人福祉法制定後すぐに設置された特別養護老人ホームとして、地域の高齢者福祉発展に尽くしてこられた先輩方、関係者、地域の皆様、町田市はじめ行政関係者の皆様に改めて感謝し、今後更に地域に貢献できるよう取り組む決意をより強くした式典でした。

6.新規事業への取り組み

(1)サービス付高齢者向け住宅の建設
東京都の医療・介護連携型モデル事業に応募しておりましたところ、東京都の審査会を経て承認を受けることができました。その後、入札等を経て施工業者を決定し、3月9日に起工式を行いました。2016年1月の竣工をめざして、工事を進めております。

(2)定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業
町田市の募集に応募していたところ、事業者として選定されました。サービス付高齢者向け住宅に併設し、地域包括ケアの推進をより一層強化する予定で、準備を進めています。

(3)さんいく保育園有明
2015年4月1日に予定通り開園いたしました。保育士等の確保が懸念材料でしたが、予定通り確保することができました。初年度運営を早期に落ち着いたものにできるように取り組みます。

(4)「野津田あんしん相談室」
第二清風園では、町田市の委託を受けて「野津田あんしん相談室」を1月1日付で、併設する「第二清風園居宅介護支援事業所かわせみ」も2月1日付で開始しました。より地域に密着した取り組みを実施していきます。

7.中央区立マイホームはるみの次期指定管理者への引継ぎ

次期指定管理候補者が社会福祉法人奉優会に決定し、引継ぎに関する諸打合せをスタートいたしました。引き続き、ご利用者が安全、安心、快適な生活ができるよう綿密な連携と協働の中で運営をしています。

8.リスクマネジメントの強化

今年度経営方針の柱の一つであるリスクマネジメントの強化ですが、法人の緊急時即応体制の整備、事故発生時における事故速報の法人全体での共有と全施設での点検強化を徹底しました。また、法人事故検証チームの早期始動、検証結果に基づく改善指導を強化しました。
内部監査は、2014年度は方法を変更し、担当職員による相互監査、担当委員会・プロジェクトによる監査、改善指導といたしました。監査を担当した職員にとっても、自分の施設を振り返る良い機会になり、各現場における改善策の実行もより迅速に行われました。
緊急時対応マニュアルやその訓練の確認・統一、事故対策担当者の連携・協力による事故防止対策の更なる向上がはかられました。

9.ケアやサービスの更なる向上への取り組み

法人全体でのケアやサービスの質の向上、及び法人としての標準化、一本化をめざす取り組みは、各委員会、プロジェクトの取り組みにより、成果をあげました。
特養・ショートでは、新人教育プログラム用に開発されたベーシックカードの活用が共通になり、さらに一般職員への展開を進めています。介護の基本を見直す観点からユマニチュードの学びを各種研修会を通じてスタートしました。
通所事業では、共通の書式、考え方、分析、手順に基づいて方針・計画を作成し、各担当者間の連携や相互視察による現況の把握、改善を行いました。
リハビリは、新人職員向けの研修用DVDを作成するとともに、高齢者領域におけるリハビリについて考え方、方法、記録等の統一に向けた取り組みを継続しています。

10.100周年記念史

賛育会100周年に発行する記念史について検討した結果、「賛育会の七十五年」の著者でもある齊藤實氏(本会顧問)に編著者を委嘱させていただきました。2018年3月の刊行を目標に作成中です。

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