法人情報

2017年度 事業報告

Ⅰ.概況報告

2018年3月16日、賛育会100周年記念礼拝・式典、感謝会を開催することができました。ここまでお支えくださったすべての関係者の皆様に心から御礼申し上げます。併せて、2017年度も賛育会憲章の精神を継承し、その実践に努める役職員の努力、また多くの方々のお支えによりまして、概ね計画通りの事業・活動を実施できましたことを感謝申し上げます。
次の通り、概況をご報告申し上げます。

1.2017年度の大きな出来事

  1. (1)賛育会100周年記念礼拝・式典、感謝会を開催
    2018年3月16日、賛育会100周年記念礼拝・式典を日本基督教団富士見町教会で開催、来賓・職員等502名の参加がありました。感謝会は、ホテルグランドパレスで開催され、601名の参加がありました。賛育会は、本当に多くの方々に支えられて、また傍らに寄り添うことを許して下さった方々によって、100年を迎えられたことを実感させられるとともに、役職員一同、改めて与えられた使命に向かっていく決意を新たにした時でした。詳細は100周年記念式典等報告をご覧ください。
  2. (2)賛育会病院の移転用地が決定
    老朽化した賛育会病院の建替えが現在地では難しいことから、移転先を検討しておりましたが、墨田区、地域住民の皆様のご支援やご協力により、現在の吾嬬立花中学校が移転した後の用地をお借りすることが決定しました。新病院開設予定は2023年ですが、地域に貢献できる病院を目指して、計画の検討を開始しました。
  3. (3)都市型軽費老人ホーム「さんいくハイツ東あずま」開設
    賛育会はすでに墨田区内で都市型軽費老人ホーム「さんいくハイツ東墨田」を運営しておりますが、まだまだ都市型軽費老人ホームが不足している地域の状況に対応して、東あずま駅近くに、「さんいくハイツ東あずま」を設置し、11月に開設いたしました。

2.社会福祉法人制度改革に基づく新しい運営体制

  1. (1)評議員
    社会福祉法人制度改正に基づき、「評議員選任・解任委員会」において次の方々が評議員に選任されました(任期:2017年4月1日~2021年6月定時評議員会まで)。
    木村 庸五  稲本 佑子  中島  誠  垣内 史堂  中山 勝子  
    高林 眞理  廣田 光司  石井嘉一郎  宮本 義彦  篠原 正雄  
    阿形  操  酒井  薫  柴田 光昭  菅谷  淳(以上評議員14名)
  2. (2)役員等
    第1回評議員会で次の方々が役員として選出され、また会計監査人も選定されました。引き続き行われた理事会において、理事長及び常務理事が選出されました(理事・監事の任期:2017年6月24日~2019年6月定時評議員会まで)。
    理事長  小堀 洋志
    常務理事 西原 良信
    理 事  柳沼 恵一  岩見 宣治  山田 公平  高倉 鉄夫  
    鈴木 正明  中村 基信  繁田 正人(以上理事9名)
    監 事  島田  茂  弥永 真生(以上監事2名)
    会計監査人 大光監査法人

3.2017年度経営方針ごとの概況

2017年度経営方針ごとに概況を報告いたしますが、概ね順調に遂行中です。財務・会計の状況は決算報告で詳細に報告いたします。
尚、個別・具体的な活動内容については、「施設別事業報告」「地域活動・社会貢献活動報告書」をご参照ください。

  1. (1)賛育会存立の基盤である「地域に仕える」ことを見つめ直し、地域・社会貢献活動を更に強化する。
    1. ① キリスト教社会福祉法人との関係強化について、墨東地域では従来から行っている京島長屋等の地域活動に加え、保育関係者の合同研修会・検討会を通じて、興望館、雲柱社及び愛隣団等のキリスト教福祉法人との協働関係を深めることができました。また、キリスト教社会事業同盟やキリスト教社会福祉学会加盟の法人との連携強化が進みました。
    2. ② 各事業所で従来の地域活動に加えて、地域の中の介護予防・認知症予防活動の立ち上げや支援活動、地元商店街との協働、企業からの社員研修やボランティア受け入れが増加しました。
    3. ③ 地元の小・中学校、高校の生徒との交流、認知症サポーター養成講座の実施が拡大しました。
    4. ④ 「にこにこ清風食堂(子ども食堂)」活動の外部への発信、発表、取材受入れ等を通じて、高齢者施設が行う子ども食堂の先駆的モデルとして、この活動の活性化に貢献しました。
    5. ⑤ 児童館主催の地域ケア会議への参加を通じて、児童福祉、障がい児・者福祉の関係者との関係が深まりました。
    6. ⑥ 例年以上に、地域や自治会の行事やお祭りへの参加が活発になりました。
    7. ⑦ 保育園では、11月に「子育て支援講演会・コンサート」を行い、306名の参加がありました。多くの他施設職員やボランティアの協力もあり、盛況のうちに実施できました。
    8. ⑧ 様々な地域活動や他団体・地域との関係強化の結果として、ボランティアが増加し、また受け入れ態勢(ボランティアコーディネーター等)も整いつつあります。
    9. ⑨ 国際交流・貢献委員会にYMCAや全社協国際部の外部専門家を招き、今後の方向性や活動計画について検討すると同時に、横浜YMCAのミャンマーにおける医療支援等への協力を検討するため、2名の職員を「視察の旅」に派遣しました。
  2. (2)社会状況の変化や諸制度の変更を考慮しつつ、今後の事業計画を策定する。
    1. ① 賛育会病院の将来構想・計画については継続的に検討を重ねてきました。また、理事等による他キリスト教病院見学等を行いながら病院の基本理念等について学ぶ機会を持ちました。移転用地決定を受けて、具体的な計画策定が始まりました。
    2. ② 介護療養病床を持つ豊野病院の事業転換構想については、地域医療圏構想との関係、賛育会として豊野で持っているリソース等を検討した結果、介護医療院への転換を中心とした将来計画を立案しました。2018年度前半に転換を行う予定です。
    3. ③ 医師確保が難しい地域にある東海事業所の医療体制整備については、様々なアプローチを続けています。特養の医療支援体制は地元開業医の方々の協力で改善できていますが、引き続き医師確保、体制整備に努めていきます。
    4. ④ 大規模修繕については、予定通り東海清風園の大規模修繕及び清風園の先行工事を開始することができました。また、中央区の行うマイホーム新川の大規模改修工事も開始となりました。
  3. (3)サービスの基盤であるケアの向上や改善に継続して取り組む。
    1. ① 「認知症ケア」について、地道に法人内での取組みの定着に努めると同時に、「ユマニチュードケアの取り組み」についての大学での講義や「おれんじドア町田の取り組み」をアクティブ福祉in東京で発表を行い「最優秀賞」を受賞する等、幅広く成果を発表できました。
    2. ② 「持ち上げない介護」の更なる定着と拡大を図るため、介護担当者会とリハビリ担当者会が協働して研修に努めると同時に、機器の追加購入を行いました。
    3. ③ 法人内での様々なケアの標準化については、担当者会、委員会での継続的な取り組みが成果をあげています。
    4. ④ 11月25日に「SEAP(調査研究・実践事例発表会)」を開催しました。今後は、成果を広く地域に役立てるために、一般への公開や情報発信に努めます。
    5. ⑤ 接遇の向上に関して、サービスマナーリーダーが中心となって、施設ごとに接遇改善研修が計画・実施されました。
  4. (4)人材の確保と育成を、最重要課題と位置づけ、知恵と力を結集して取り組む。また、職員や関係者が共有すべき価値を明らかにし、その実現に努める。
    1. ① 理念・価値発信型の採用活動を目指して、「賛育会物語」「賛育会クオリティ」などの媒体を作成し、また現場職員の生の声が対象者に届く工夫を重ねました。また、賛育会のケア向上への取り組み、リスクマネジメントの改善、地域活動・社会貢献活動や100周年関連事業・行事等、すべての取り組みが価値発信の機会となるように取り組んでいます。
    2. ② 新卒採用中心から通年型採用計画にシフトし、会場説明会、施設説明会、採用試験などのプログラムや日程を大幅に見直しました。
    3. ③ 職員の母校訪問、ゼミや指導教員、定期的な学校訪問を強化するとともに、実習受入れ方を改善して学校との信頼関係づくりを強めています。
    4. ④ 多様化する医療・福祉ニーズに対応するため、他法人・団体との積極的な人材交流を開始しました。また、法人内他施設研修は、特養介護職に加え、デイサービス担当者も今年度開始しました。
    5. ⑤ 事業所内保育所について、施設将来計画や人材確保計画と併せて検討を継続しています。
    6. ⑥ 従来から行っている外国籍住民の就労支援(介護士資格取得、日本語教育)に加え、介護福祉士養成校等に在籍する留学生への支援活動の試行、アルバイトや実習の受け入れを開始しました。
    7. ⑦ 保育士の処遇改善については、行政からの補助に加え、本会の資金も加えて、幅広い改善を行いました。
  5. (5)施設別・事業別の収支改善への取り組みを継続するとともに、大規模修繕等に備えた財務構造を構築する。
    1. ① 長期運営資金の借り入れと返済について、今後の諸計画や大規模改修を勘案して、銀行等と折衝の上、大幅な見直しを行いました。
    2. ② 施設別・事業別収支改善については、取り組みの成果が現れ、病院事業を除いた各施設は概ね予算に近い状況での執行となりました。
    3. ③ 毎月業務センター会議を開催し、法人、事業所、施設間の業務分担表を作成、これに基づいて業務の集約作業を進めました。さらに職員採用・異動時等のチェックリストを見直しました。
    4. ④ 2018年診療報酬改定、介護保険制度改正対策チームを組織し、改定・改正に対応しました。
  6. (6)諸事業や地域活動を円滑に推進するために、組織・運営体制を再整備する。
    1. ① 社会福祉法人制度改革による新定款に基づいた評議員会、理事会を中心とした運営を軌道に乗せることができました。また、会計監査人の選任を予定通り行いました。運営担当監事による個別施設への訪問ヒアリングを行う等、ガバナンスやコンプライアンスのより一層の強化に努めました。
    2. ② 人事制度・賃金制度の評価と見直しを継続して実施しました。
    3. ③ 四半期管理制度の評価と見直しを行いました。一部手直しの上、2018年度以降も継続して取り組むこととしました。
  7. (7)事故防止、感染症対策等リスクマネジメントの強化を継続して行う。
    1. ① 「法人事業継続計画(BCP)」に基づいて法人全体での通報訓練を実施しました。非常食統一は、消費期限の関係で統一が持ち越しになっているものがありますが、ある程度達成できました。 
    2. ② 感染症予防と職員の意識向上のために、賛育会病院感染症専門医と看護師による各施設の点検を今年度も継続して実施し、生活環境チェックと改善をすすめました。
    3. ③ 事故については、速やかな情報共有を図ると共に各施設での点検を促し、事故予防に努めています。重大な事故については、法人検証チームを派遣し、現場での検証と改善をすすめるとともに、外部の専門家を交えた事故対策・再発防止委員会を開催しています。また、今年度も顧問弁護士による職員研修を実施しました。
  8. (8)賛育会創立100周年記念行事に取り組む。
    1. ① 東海事業所では賛育会創立100周年地域記念活動として、御前崎市と牧之原市の共催、静岡県の後援に加え、地域の20に及ぶ諸団体の協力を得て、2018年2月18日劇団たんぽぽによる公演「ゆずり葉の季節(はる)」を主催しました。在宅での看取りをテーマとした重い内容ではありましたが、満席に近い600名超の来場者があり、これからの地域課題を共有する良い機会となりました。
    2. ② 100周年記念事業プロジェクトでは、記念礼拝・式典、感謝会の企画を行うとともに、関連する事業やイベント、関連グッズの作成、広報活動の強化に努めました。
    3. ③ 賛育会の魅力を広く発信し、賛育会の支援者や応援者を増やすとともに、職員自らがその魅力を理解し、発信できるように取り組みを進めています。地域活動・社会貢献活動、現場でのケアやリスクマネジメントの改善等に関して、職員自らが発信していく機会を増やしました。
    4. ④ 100周年関連事業や活動をきっかけにして、キリスト教主義団体、地域にある福祉団体、地域の自治会や学校との関係強化、連携拡大をはかりました。
    5. ⑤ 「賛育会の百年」を予定通り刊行することができました。改めて著者の齊藤實氏のご尽力に感謝申し上げます。併せて資料や写真のデータ化を進めることができました。

4.100周年記念礼拝・式典、感謝会記録

  1. (1)100周年記念礼拝・式典

    日時 2018年3月16日(金) 午後3時~5時
    場所 日本基督教団富士見町教会
    参加者数 502名

    礼拝

    司式 山﨑正幸牧師(賛育会病院チャプレン)
    説教 酒井薫牧師(評議員)
    奏楽 千葉仁氏(富士見町教会オルガニスト)
    聖書 コリントの信徒への手紙一 3章10~15節
    説教題「吟味され、明らかにされる土台」

    式典

    司会 西原良信(常務理事)
    式辞 小堀洋志(理事長)
    祝辞 横山宏氏(東京都社会福祉協議会副会長)
    深町正信氏(和泉短大 理事長)
    山室学氏(墨田区医師会副会長)
    阿部志郎氏(横須賀基督教社会館会長)
    歴史・事業等の紹介
    100年の歩み(ショートムービー)
    賛育会病院移転建替え計画
    賛育会のケアと地域活動(ビデオ)
    特別表彰 徳久俊彦氏 齊藤實氏
    閉会の辞 木村庸五(評議員)

  2. (2)100周年記念感謝会

    日時 2018年3月16日(金) 午後6時~8時
    場所 ホテルグランドパレス
    参加者数 601名

    司会 杉浦広隆(相良清風園施設長)、宍戸かおり(賛育会病院看護科長)
    挨拶 小堀洋志(理事長)
    祝辞 山本亨氏(墨田区長)
    鈴木洋氏(墨田区医師会会長)
    食前感謝及び乾杯 瀬戸英治氏(日本基督教団鶴川教会牧師)
    ミニコンサート 大谷康子氏(バイオリン)、藤井一興氏(ピアノ)
    ボランティア表彰
    各種職員表彰
    特別表彰者ご挨拶 徳久俊彦氏 齊藤實氏
    紙芝居上演 ちっちさん
    閉会挨拶 西原良信(常務理事)

以上

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