医療チームの一員として、患者さんとともに歩んでいます。
- 職種:医療相談員
- 所属:賛育会病院 患者サポート部
- 2017年入職
- 長野大学
- 勤続年数:中途採用・4〜9年目
医療相談員のやりがい・嬉しかったこと
患者さんから、お手紙を頂いたことです。
妊娠には気づいていたけれど、自分一人でどうしたらよいか悩んでいる間に出産となった患者さんがいらっしゃいました。
生まれてきた赤ちゃんを自分で育てるか、誰かに育ててもらうために預けるかを悩んでいたため、私はご本人に何度もお会いし、ご本人がどのような環境で生活してきて、今どうしたいかをお聞きしました。
患者さんご自身で自分の人生、赤ちゃんとの生活を考え、ご家族の協力も得ることが必要であることに気づき、ご家族と相談することができました。母児退院後、ご本人から近況と“まだ悩むことはあるけど、あの時相談できてよかった“と近況の報告と今の気持ちについてのお手紙をいただきました。
ご自身が様々なことを感じ、大切なことを考え、必要だと選択した行動が取れた相談経過でしたが、相談を通じてご自身が色々なことができる力に気づいていただく1つのきっかけになれたと感じ、嬉しかったです。
大変だと思うこと
医療相談員(MSW)はチーム医療を行う一員として、医師、看護師、リハビリスタッフや事務職など様々な専門職のスタッフと一緒に仕事をしているので、それぞれの立場の意見を尊重しつつ、同じ方向で支援をしていく必要があるところが大変だと感じます。
そのための話し合いがとても大切なのですが、チーム内で意見がぶつかり合うこともあります。MSWは何よりも患者さんの立場に立つ職種として、ご本人が置かれている環境や生活を考え、適切な治療方針や病院ができるフォローアップについて発言します。
私たちは医療チームの一員として、「患者さんが自分らしく健康に生活していくこと」を常に共有しており、そこに立ち戻ってどのように協力したらよいかを考えていきます。
相談職で求められるスキルは何ですか?
相談者が今置かれている状況や本人の気持ち、考えを理解して、本人の立場に立って一緒に考えていくこと、本来持っている生活力に気づいてもらえるように支援することが必要です。
困ったり、悩んだりしたときに、自分らしく生活していく権利を守ることが私たちの責務であり、相談者を一人の人間として尊重する基本的なスキルです。そのためには、私たち自身がまず毎日の生活の中で現代はどのような社会であり、どんな傾向・潮流があるのか感じ、考え、意識するとよいと思います。
学生の立場だからこそ、乳児院や母子生活支援施設、福祉事務所や子育て支援相談窓口、高齢者総合支援センターや障害者福祉施設等、現在関心がある領域以外にも、幅広く相談援助の現場に触れ、理解を深めるためのボランティアや実習にチャレンジするとよいと思います。