法人情報

2018年度 事業報告

2018年度も賛育会憲章の精神を継承し、その実践に努める職員や関係者の努力、また多くの方々のお支えによりまして諸事業・活動を実施できましたことを感謝申し上げます。創立100周年を迎え、101年目を踏み出した2018年度、ヨハネによる福音書17章21節を基本聖句に掲げ、地域社会への貢献のため職員一丸となって事業計画の遂行に努めてまいりました。以下、2018年度の概況をご報告申し上げます。

Ⅰ.新しい運営体制について

1.役員等

第1回評議員会で2名の新理事と1名の新監事が役員として選出されました。
*新理事・新監事の任期:2018年6月23日~2020年6月定時評議員会までです。

理事長  小堀 洋志
常務理事 中村 基信
理 事  柳沼 恵一  岩見 宣治  高倉 鉄夫
     *髙本 眞一 *島田  茂
     鈴木 正明  繁田 正人
     (以上理事9名)
監 事  弥永 真生  *山田 公平
     (以上監事2名)

Ⅱ.2018年度経営方針の達成状況について

2018年度経営方針に掲げた項目ごとに概況を報告いたします。施設事業については概ね順調に遂行できましたが、医療事業は昨年比で収支改善傾向にあるものの、より一層の改善が必要です。収支・会計の状況は別途報告いたします。
尚、詳細及び個別の活動内容については、「施設別事業報告」をご参照ください。

1.「賛育会存立の基盤である「地域に仕える」ことを見つめ直し、地域・社会貢献活動を更に強化します。」について

  1. (1) 墨田地域では従来から行っている興望館、雲柱社、ベタニヤホーム及び愛隣団等のキリスト教福祉法人との協働関係を深めることができた。
  2. (2) 各事業所で従来の地域活動に加えて、介護予防・認知症予防活動や支援活動、企業の社員研修やボランティア受け入れを積極的に行った。
  3. (3) 地元の小・中学校、高校との交流や地域向け認知症サポーター養成講座を継続実施している。
  4. (4) 「にこにこ清風食堂(子ども食堂:町田事業所)」を通じて高齢者施設が地域の子どもを支える活動を継続できた。
  5. (5) 「幸腹食堂(皆の食堂:豊野事業所)」を開始して、老若男女を問わず、地域の誰もが来られる居場所を提供できた。
  6. (6) 地域や自治会の行事やお祭りへの参加を各施設で活発に行った。
  7. (7) 保育園では11月に「子育て支援講演会」を実施し、保護者や地域の子育てへの理解を深めた。
  8. (8) 在住外国人の就労支援(介護福祉士資格取得、日本語教育)や病院での診療支援に加え、介護福祉士養成校等に在籍する留学生への支援活動として、シェアハウスの提供、アルバイトや実習の受け入れを行った。
  9. (9) 国際活動委員会の中で災害支援活動や国際活動についての検討を継続し、横浜YMCAのミャンマースタディーツアーへの職員派遣やミャンマーで医療支援や生活支援を行っている医師との連携を強化した。

2.「社会状況の変化や諸制度の変更を考慮しつつ、今後の事業計画を策定します。」について

  1. (1) 賛育会病院の将来構想・計画について、新施設検討会議や役員職員協議会などを継続して検討を進めた。
  2. (2) 介護療養病床を持つ豊野病院を2019年3月から介護医療院とクリニックに事業を転換し、新たな地域医療と高齢者の生活支援を開始した。
  3. (3) 東海診療所に新しい医師を採用し、東海診療所を建て替えたうえで2019年6月から診療再開の準備を進めた。
  4. (4) 大規模修繕については、予定通り東海清風園の大規模修繕工事を行うことができた。
  5. (5) 保育事業については、江東区の保育士家賃補助制度を利用するなど保育士の人材確保のための待遇改善を行うことができた。

3.「サービスの基盤であるケアの向上、法人内での標準化や統一に継続して取り組みます。」について

  1. (1) 「認知症ケア」について、「ユマニチュードケア」や「おれんじドア」などの取り組みを通じて法人内でのケア向上を進めた。
  2. (2) 「持ち上げない介護」の定着と拡大を図るため、介護グループとリハグループ共同の研修会を実施した。また、リフト等機器の追加購入を行うとともに、利用状況の評価等を行い、ケアの向上に努めた。
  3. (3) 法人内ケアの標準化については、担当者会、委員会で継続的に取り組んだ。
  4. (4) 12月1日に「SEAP(調査研究・実践事例発表会)」を開催し、ケアの向上や業務改善の意識を高めた。
  5. (5) 賛育会の職員として、接遇はもちろん、質の高いサービス提供を目指して、ホスピタリティ推進コア会議を設置し、賛育会憲章を具体化したクレドやベーシックの策定を始めた。

4.「人材の確保と育成を、最重要課題と位置づけ、知恵と力を結集して取り組みます。」について

  1. (1) 理念の継承を目的としてミッションサポート部を設置し、研修や地域との連携の中で賛育会の価値発信を始めた。賛育会のケア向上への取り組み、リスクマネジメントの改善、地域活動・社会貢献活動や100周年関連事業、行事等すべてが価値の発信になるよう取り組んだ。
  2. (2) 通年型採用計画にシフトし、会場説明会、施設説明会、採用試験等の内容や日程を見直した。
  3. (3) 職員の母校訪問、ゼミや指導教員、定期的な学校訪問、実習の受け入れ方改善などあらゆる場面で、教育機関との関係づくりに努めた。
  4. (4) 多様化する医療・福祉ニーズに対応するため、他法人・団体との積極的な人材交流計画策定に着手した。また、法人内他施設研修は、特養介護職に加え、デイサービス担当者も実施した。

5.「中長期の設備投資計画を策定するとともに、業務の合理化や省力化と経費低減に取組みます。」について

  1. (1) 東海清風園の大規模修繕や東海診療所の再開に向けた資金の借り入れと返済について検討し、理事会の承認を得て実施した。
  2. (2) 医療事業について、特に賛育会病院は、いくつかの診療科医師体制が整わなかったため、2018年10月から経営改革室を設置し、医師体制と組織の見直し及び積極的な設備投資による病床再編に着手した。
  3. (3) 施設別・事業別収支改善は医療事業を除いた各施設は概ね予算に近い状況での執行ができた。

6.「諸事業や地域活動を円滑に推進するために、組織・運営体制の整備を継続して行います。」について

  1. (1) 理事の一部と常務理事の交代により新しい法人運営体制となった。
  2. (2) 施設サービス内容だけでなく、総務や法令順守の内部監査を継続し、ガバナンスやコンプライアンスの一層の強化に努めた。
  3. (3) 人事制度・賃金制度の評価と見直し案作成を継続して実施した。

7.「事故防止、感染症対策等リスクマネジメントの強化を継続して行います。」について

  1. (1) 法人の通報訓練を実施した他、「法人事業継続計画(BCP)」の研修を2回実施した。
  2. (2) 感染症予防と職員の意識向上のために、賛育会病院感染症専門医と専門看護師による各施設のラウンドを実施し、生活環境チェックと改善をすすめた。
  3. (3) 事故については、速やかな情報共有化と共に各施設での点検を促し、事故予防に努めた。重大な事故や繰返される事故については、法人検証チームを派遣し、現場での検証と改善をすすめるとともに、外部の専門家を交えた事故対策・再発防止委員会を開催した。また、顧問弁護士による職員への研修会も実施した。

8.「賛育会創立100周年記念行事に取り組みます。」について

  1. (1) 100周年記念事業プロジェクトと施設が共同して全施設で「100周年記念」を冠とした事業やイベントを行い、広報活動を展開した。
  2. (2) 後援会の支援により、地域活動・社会貢献活動の一つとして東京フィルハーモニー交響楽団他を迎えて賛育会病院建て替えのための100周年記念チャリティーコンサートを実施した。
  3. (3) 「賛育会の百年」を地域や関係機関、団体に配布した他、100周年ソングとダンスのPVを作り、賛育会の職員、利用者、関係者がひとつになって賛育会の第2世紀の歩みを始めた。

9.その他

  1. (1) 敬老の日にともなう皇太子(当時)ご夫妻の東京清風園視察が9月21日にあった。
  2. (2) 東京清風園及び清風園を中心に10件を超える海外からの施設見学があった。

ページ上部に戻る