法人情報

2021年度 事業報告

2021年度賛育会は中期3カ年計画「地域の課題にもっともっと寄り添える賛育会」を目指して、知恵を育む・体力づくり・仲間づくりの3つの計画を実行いたしました。
新型コロナウイルス感染症のまん延が続く中でも、賛育会憲章の実践に努める職員や関係者の努力と多くの方々のお支えによりまして諸事業・活動を実施できましたことに感謝いたします。次の通り、概況をご報告申し上げます。

基本聖句

「恵みの業をもたらす種を蒔け、愛の実りを刈り入れよ。新しい土地を耕せ。」

(旧約聖書 ホセア書 10章12節)

Ⅰ. 新しい運営体制

1. 評議員

「評議員選任・解任委員会」において次の方々が評議員に選任されました。(任期:2021年7月1日~2025年定時評議員会開催の日まで)

  • 岩見 宣治
  • 阿形 操
  • 板崎 淑子
  • 酒井 薫
  • 坂根 慶子
  • 坂野 修一
  • 篠原 正雄
  • 柴田 光昭
  • 菅谷 淳
  • 高林 眞理
  • 竹佐古 真希
  • 塚本 文武
  • 中村 義哉
  • 廣田 光司
  • (以上評議員14名)

2. 理事・監事

第1回評議員会で次の方々が役員として選定されました。また、第4回理事会において、理事長及び常務理事が選出されました。(任期:2021年6月30日~2023年定時評議員会開催の日まで)

理事長
  • 小堀 洋志
常務理事
  • 中村 基信
理事
  • 柳沼 恵一
  • 髙倉 鉄夫
  • 田村 正徳
  • 島田 茂
  • 髙本 眞一
  • 小林 利紀子
  • 藤田 寿彦
  • (以上理事9名)
監事
  • 弥永 真生
  • 山田 公平
  • 阿部 誠
  • (以上監事3名)

Ⅱ. 2021年度経営方針の概況

1. 「今を乗り越え・将来に備える」を最重要方針とし、全施設一丸となって以下の課題に取り組みます。

  1. 感染対策の徹底と寄り添い助け合うサービス提供の両立を目指して、医療・介護・保育サービスのニューノーマル(新しい常態・新しい生活様式)を模索し、実践します。
  2. 災害に強いサービス提供体制の確立と、災害発生時の地域社会資源としての機能強化を図ります。
  3. 豊野事業所の台風被災と新型コロナウイルス感染症(以下コロナ感染症と記)の蔓延による経済的な打撃を解消するため、経営体制の強化を図ります。

について、以下の通り取り組みました。

2021年度は、まん延防止等重点措置と緊急事態宣言が2度発出される中、前年度に賛育会病院の指導で策定した法人の感染対策基準を微調整しながら、全職員、全施設が感染予防と感染拡大防止を徹底し続けました。刻々と変化する感染症への対応は、ひとりの担当者やひとつの施設だけではなく、施設間、事業間、地域の連携が必須となり、沢山の連携が生まれ、強化された年度でもありました。
賛育会病院は墨田区及び区内の医療機関とオンラインで繋がり、協働してコロナ感染症に対応し、地域連携を強化しつつ医療サービスを提供しました。福祉施設から賛育会病院への感染対策相談や受診、感染情報の共有も進み、法人内の医療と福祉の連携も強化されました。また、各施設が管轄市区町村と感染情報を共有し、協働して感染対策を重ねるなど、行政との連携も強化されました。年度末には、変異ウィルスによって感染者が多くなり、保育園や高齢者在宅サービスを一時的に休止することもありましたが、様々な連携を強化しながら、年度を通じて医療・介護・保育サービスを継続することができました。
建物を復旧し、全事業を再開した豊野事業所は、組織体制を見直して、在宅サービスと施設サービス、医療と福祉の連携など、事業所内連携を強化して、経営改善を進めました。事業所全体で一人の利用者に最適なサービスを継続して提供できる組織となり、その結果、利用者や利用回数が増加しました。また、老人保健施設の超強化型、介護医療院のⅠ型への早期区分変更ができたことも、患者・利用者を第一義に考え、体制を整え、サービスを向上した結果であり、同時に経営改善に繋がりました。

2.中期3カ年計画に基づき、以下のとおり事業運営を進めます。

  1. 組織・運営体制を見直し、経営の改善と安定化に努めます。
  2. 質の高い医療・福祉サービスを提供します。
  3. 職員の確保と育成に努めます。
  4. 地域に仕えるための活動を継続します。
  5. 事故防止、感染症対策等リスクマネジメントを強化します。
  6. 賛育会病院の移転・新築計画を実行します。
  7. 賛育会の情報発信を強化し、ボランティアや寄付等の支援活動の拡大に努めます。

について、以下の通り取り組みました。

知恵を育む

医療では「患者とともに生きる」という理念を共有しながら、賛育会病院と賛育会クリニックがワクチン接種を積極的に行いました。賛育会病院は、4月に母子支援室を開設し、レスパイトや産後ケアを始めるとともに、コロナ専用病棟を開設し、9月からはコロナ対応重点医療機関となって、一般の陽性患者にとどまらず、受け入れ先の見つかりづらい、妊婦や親子のコロナ陽性患者も積極的に受け入れ、コロナ禍で病に苦しむ人々に寄り添いました。高齢者施設は認知症ケアや持ち上げない介護、看取り介護を継続し、オンラインを駆使して感染対策、情報共有、部署間連携を強化しながら、サービスを継続しています。保育園は一時的な休園はありましたが、行政や医療機関との連携を強化するとともに、オンラインを駆使した行事開催や保護者との情報共有を進めることができました。
サービスにともなう苦情件数は183件(前年153件)で、事故は113件(前年119件)となり、各施設で速やかに事故検証と勉強会等を行って再発防止に努めています。しかし、感染や濃厚接触によって最低限の職員体制での勤務が続き、職員への負担が大きな1年でもありました。そのような中にあっても、権利擁護についての学びを深め、体制や環境整備を含めたサービス改善を進めてまいりました。
2021年度もオンラインでの職員募集を継続し、2022年度の新卒採用は介護士32名(前年13人)、保育士1名(同1名)の予定です。コロナ禍でも感染対策をしながら医療・福祉校の実習生を延2849名(前年延4375名)受け入れ、全施設で、将来の担い手養成も行っています。
法人職種別・職階別研修はオンラインで継続し、各事業所でも感染予防・持ち上げない介護・虐待防止・事故防止・理念・異文化間教育(保育)などの研修を行っています。延5316名(前年延5423名)の職員が法人内外の研修に参加するなど、資格取得支援制度も含めて職員の育成に努めています。
コロナ禍で中止をしていたSEAP(調査研究・実践事例発表会)やフォトコンテストを2年ぶりにオンラインで開催し、有意義な取り組みを共有して事業や活動の質の向上を図りました。

体力づくり

より良いサービス提供によって安定した経営ができるように、法人経営委員会と施設長会議で月次予算管理を徹底し、予算未達成事業はサービス内容と費用構造を見直しました。コロナ感染症対応への補助金も利用しながら経営の安定に努め、年度予算を達成することができました。
運営においては、経理規程を見直して財務部組織を再構築し、財務部と事業所の権限と役割を明確にするとともに、各施設の経理実務における牽制体制を強化しました。また、会計監査人による会計監査と公認会計士による内部統制監査を実施し、組織・経営上の問題点を抽出し、速やかに改善を進め、経営管理体制を強化し、法令順守の徹底を図りました。
賛育会病院の移転・新築計画は、病院の機能分化と旧吾嬬立花中学校跡地に医療と福祉が連携した地域包括ケアシステムに貢献できる新しい拠点を作ることを理事会で決定し、墨田区に提案しました。墨田区とともに、実現に向けた協議を継続しています。

仲間づくり

東海清風園は開設50周年(4/1)、相良清風園は開設20周年(7/1)の記念礼拝・式典を夫々開催し、東京清風園は開設40周年記念広報紙を発行しました。また、さんいく保育園清澄白河は10周年記念品を関係者に配布して地域の皆さまに感謝を伝え、連携と支援の継続をお願いしました。
豊野の被災地域の復興を支援し、地域の方々との繋がりを強めるためのコンサートと、地域の方々に賛育会を知っていただき、地域とともに歩む賛育会を支えて頂くためのチャリティーコンサートを企画しましたが、感染症蔓延の影響を受けて実施を自粛せざるを得ませんでした。
一方で、コロナ禍だからこそ地域の皆様の理解と協力を得ながら、にこにこ清風食堂(子ども食堂)をお弁当のテイクアウトとフードドライブ(家庭で余った食料品を学校や職場などに集約して慈善団体などに寄付する活動)の提供という形で継続しました。また、介護職を希望する外国人のための日本語教室や留学生支援、認知症サポーター養成講座等も地域の皆様とともにオンラインにて継続しています。
ホームページ、機関紙を通して賛育会の情報発信を継続しました。コロナ感染妊婦への対応、ホスピタルアートなどの賛育会病院の働きがメディアで報道され、支援の申し入れや寄付もいただきました。また、医療介護従事者への感謝として、地域や業者の皆様からのお弁当の提供や学校からの感謝の手紙などをいただいた他、年間を通じて715件、27,708,511円の寄付をいただくことができました。

以上

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