法人情報

2023年度 事業報告

中期3ヵ年計画「地域の課題にもっともっと寄り添える賛育会」に基づき、知恵を育む・体力づくり・仲間づくりをテーマに各事業を進めました。
5月に新型コロナウイルス感染症が第5類感染症となり、段階的に感染対策を見直しながら、職員の働きと多くの方々のお支えにより、諸事業・活動を実施できましたことに感謝し、次の通り、概況を報告いたします。

年間聖句

「あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。」

(新約聖書 マタイによる福音書 18章19節より)

Ⅰ. 運営体制

1. 評議員

評議員選任・解任委員会(5/10)において新評議員が選任されました。(任期:2023年7月3日~2025年6月定時評議員会の日まで)

評議員
  • 田村 正徳

2. 理事・監事

①2022年度第3回評議員会(2023/3/18)で新理事2名が選出されました。(任期2023年4月1日~2023年6月定時評議員会の日まで)

理事
  • 赤荻 佐和
  • 森 佐知子

②第1回評議員会(6/24)において新理事*と新監事*各1名と役員が選出されました。また、第2回理事会(7/3)において理事長及び常務理事が選出されました。(任期:2023年6月24日~2025年6月定時評議員会開催の日まで)

理事長
  • 小堀 洋志
常務理事
  • 中村 基信
理事
  • 赤荻 佐和
  • 島田 茂
  • 髙倉 鉄夫
  • 髙本 眞一(2024/3/31付退任)
  • *平野 昭宏
  • 森 佐知子
  • (以上理事8名)
監事
  • 阿部 誠
  • *田口 努
  • 弥永 真生
  • (以上監事3名)

Ⅱ. 2023年度経営方針の概況

1. 知恵を育む:安全で質の高いサービスを継続し、地域ニーズに対応できる職員を育成する。

  1. 安全で質の高いサービスを提供する。

    医療では、賛育会病院が患者中心の医療、ともに生きるという理念の下、6月までコロナ病棟を継続し、7月以降は病床単位で新型コロナウイルス感染患者を受け入れるとともに地域包括ケア病棟を再開しました。また、診療科ごとの新規サービスや業務改善、部署間コミュニケーション改善、救急車受入れ要請反応時間短縮、経営改善等のプロジェクトを立ち上げ、サービス向上に努めました。賛育会クリニックは総合診療を中心にワクチン接種や訪問診療・訪問リハビリを継続しながら地域ニーズに応えています。
    福祉では、新型コロナウイルス感染症のまん延により一時休止するサービスもありましたが、賛育会病院や都県の感染対策即応支援チームの指導を受けながら感染予防と対策を重ね、特別養護老人ホームの平均利用率は96.7%(前年96.8%)、平均介護度は4.00(前年4.01)を維持しながらサービス提供を継続できました。特に今年度は権利擁護・虐待防止を強化し、各施設での勉強会やチェックシステムを強化しました。また、各施設で3年ぶりに集合での家族懇談会や保護者会、故人を偲ぶ会等を再開し、利用者、家族の声を聞きながらサービスの向上に努めました。
    20を超える発表があったSEAP(調査研究・実践事例発表会)や他法人の医療・福祉研究発表会などにもオンライン参加し、有意義な取り組みを共有して事業やサービスの向上を図りました。

  2. 出生児の遺棄・虐待等を防ぎ、幼いいのちを守る活動を強化するため、法人が一丸となって「赤ちゃんのいのちを守るプロジェクト」に取り組む。

    プロジェクトチームで事業計画案を作成し、行政機関との協議を開始、継続しています。妊娠SOS相談、内密出産、赤ちゃんの預け入れ等に関する実施計画、規程作り、人材確保と育成、設備、システム、組織、広報等を検討し、2024年度中に段階的な開始を目指しています。勉強会や研修等も実施し、法人内の情報共有を進めるとともに他病院や関係団体、機関への訪問や情報共有、協力関係の構築等を進めています。

  3. 職員の確保と育成に努める。

    2024年度新卒採用者は約53名(前年43名)となりました。インターンシップを強化して応募者が現場に接する機会を増やすとともに学校訪問等も継続して2025年度募集活動も開始しています。
    今年度から役割等級制度を導入した新人事制度の運用を開始しました。職種別・職階別研修と各事業所での感染予防・虐待防止・事故防止などの研修もハイブリッドで実施し、延6,462名(前年5,259名)の職員が法人内外の研修に参加して技術や能力向上に努めています。
    また、留学生や実習生の受け入れを継続して将来の人材育成を行うとともに医療と福祉施設間の人事異動による人材育成にも努めています。

2.体力づくり:新病院新施設構想を進め、安定した法人運営を実現する。

  1. 賛育会病院の新病院新施設構想を計画・実行する。

    地域住民、墨田区、関係団体、職員等の声を取り入れながら新病院新施設開設準備室を中心に旧吾妻立花中学校跡地に医療と福祉が連携した地域包括ケアシステムの新拠点作りの計画を進めていますが、昨今の建築事情もあり、入札を実施しましたが建設業者の決定までいたりませんでした。あらためて、補助内容や建築コストなどを見直し、2024年度中の着工を目指します。太平地区は老朽化した西館を取壊すために、西館の現機能を移すための外来棟増築と新事務棟の建設工事を開始し、2024年度内竣工を目指しています。

  2. 組織・運営体制を見直し、法令順守の徹底と経営の改善・安定化に努める。

    一昨年度に実施した公認会計士による内部統制監査指摘事項の改善状況を再確認するとともに内部相互監査や評議員、理事の施設訪問を通して、運営や事業点検を行い、業務改善や法令順守を徹底しています。法人経営委員会と施設長会議において全事業の月次予算管理を徹底し、会計顧問の指導の下、予算未達成事業のサービス内容と費用構造を見直し、経営の安定を進めています。特に豊野事業所は施設を超えて事業やサービスを事業所として一体的に運営し、安定した経営をしています。一方で、賛育会病院事業所は5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後に、再開を計画していた1病棟の体制が整わずに再開できなかったことによる収入減や人件費の増加により、経営的には厳しい1年となりました。また、コロナ禍以降の高齢者在宅サービス事業の低迷や、各施設の老朽化による修繕費等の増加は今後の大きな経営課題です。

  3. 中期3ヵ年計画の評価と次期計画策定

    新3ヵ年計画策定プロジェクトで2021~2023年の中期3ヵ年計画「もっともっと地域に寄り添う賛育会」を振り返り、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けたこの期間は地域のボランティアを受け入れたり、施設職員が地域に出向くことができなかったため、十分に地域に寄り添うことができなかったとの評価に至りました。そのため、2024年度からの3ヵ年も再度、地域に寄り添うことを目標に掲げ、地域の様々な課題やニーズを把握し、そこに寄り添う賛育会目指すこととしました。

3.仲間づくり:地域住民や団体と共感による協働の輪を広げる。

  1. 地域に仕える活動を継続する。
  2. 地域支援活動や奉仕活動をしている仲間と連携し、協働する。

    他法人や機関が主催する勉強会や発表会に参加するとともに、全事業所で認知症サポーター養成講座や出前講座等を実施した他、地域のお祭りや総合防災訓練に参加、協力しています。また、2019年の台風19号で豊野事業所が被災した時にお世話になった長野県社会福祉協議会や日本YMCA同盟の皆さんと一緒に、2024年元日に起こった能登半島地震の避難所運営に約2カ月間で17名の職員を派遣するとともに募金をする等、被災者支援活動を行いました。

    ◇地域の皆さまとともに継続している主な地域活動
    賛育会病院事業所:いのちの授業他
    墨田中央事業所:日本語教室、介護予防教室、ふれあいガーデニング他
    町田事業所:にこにこ清風ワゴン&フードドライブ、鶴川やってみる会他
    豊野事業所:ひだまりホットサロン、出前講座、配食サービス他
    東海事業所:えびす屋、福祉体験受入れ、いきいきサロン、生活困窮者緊急食糧支援他
    保育園:マイホーム新川や東京清風園とのオンライン交流会、近隣清掃他

  3. ボランティアや寄付等の支援活動の拡大に努める。

    各施設で段階的にボランティアの受け入れを再開しました。寄付の受入れ窓口の拡大と寄付者・支援者の拡大に向けた寄付管理システムソフトを導入し、874人から23,862,410円の寄付を集めることができました。
    また、新日本フィルハーモニー交響楽団と湊恵子さんに演奏をお願いして賛育会病院建て替えのためのチャリティーコンサートを10月4日に開催し、1,057名の来場者から、約340万円の寄付をいただき、賛育会病院の建て替えに用いさせていただきます。

以上

ページ上部に戻る