人工関節センターの紹介
変形性関節症、関節リウマチなど関節痛に困っている多くの患者さんをサポートするため人工関節センターは設立されました。
外来診療・手術治療、リハビリテーションに関して、患者さんにより良い医療を提供することを目指し、患者さんが痛みのない快適な日常生活が送れるよう私たちが手助けできればと考えています。
股関節、膝関節をはじめ、全身の関節の痛みや変形でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
治療方法と人工関節について
小林先生がくわしく解説
股関節や膝の痛み、我慢していませんか? がまんしないで相談してください。
症状は? 治療方法は? 中高年層が抱える悩みに小林先生がお答えします。
人工関節の手術とは?
人工関節置換術とは、変形性関節症や関節リウマチなどの疾患により悪くなった関節の表面を取り除いて、人工関節に置き換える手術です。
当院では、股関節・膝関節・足関節・肩関節の人工関節置換術を行っています。
それぞれの手術の詳細をご紹介します。
人工股関節置換術
人工股関節置換術(THA:Total hip Arthroplasty)は、変形性股関節症、臼蓋形成不全や関節リウマチなどの病気で軟骨が削れ骨が変形した股関節に対して人工股関節に入れ替える手術です。人工股関節はチタン合金の金属やセラミック、ポリエチレンなどでできています。人工股関節に入れ替えることにより痛みがなくなり、また歩容がきれいになり日常生活が改善されます。
最近は人工股関節を行ってスポーツ(ゴルフ、テニス、山登りなど)を行う患者さんも増えてきました。人工股関節は社会生活をエンジョイできるツールです。
手術方法
当院ではMIS(最小侵襲手術)を行っています。前方アプローチで皮膚は約8cm切開して筋肉を切らずに筋間を分けてアプローチを行っています。筋肉を切らないので術後の早期回復が可能で約10日間で退院が可能となっています。もちろん杖無しで歩いて退院していただきます。手術時間は1時間前後で出血量は平均200ml前後です。当院では予想以上の出血に備え自己血(自分の血液を入院前に貯めて冷凍保存しておきます)400ml貯めておきます。
特色
当院のモットーは、患者さんが自分自身に人工股関節が入っていることを忘れていただきたいと思って手術を行っています。さらに手術評価として皆様に質問票(Forgatton joint scoreで定期的に手術後に評価します)をお願いする場合もあります。また現在スポーツをするために人工股関節を行っているのが世界的な情勢です。残念ながら日本は遅れをとっていますが当院ではグローバルな観点からスポーツを視野に患者さんの要望に応えたいと常に考えています。
両側同時人工股関節置換術
(当院での症例)
人工膝関節置換術
人工膝関節置換術(TKA:Total Knee Arthroplasty)は、変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した骨をコバルトクロムの合金金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工膝関節に入れ替えることです。
実に94%の日本人患者さんが、膝の内側の軟骨が削れ骨が徐々に変形していきます。次第にO脚となり体重がかかると痛みが出て、歩くのが億劫になりさらに行動範囲が狭くなったりして体重増加により膝に負担がかかっている患者さんが多く見られます。人工膝関節は、痛みを除去するほかO脚だった膝がまっすぐになります。
手術方法
約10~12cmの皮膚切開で手術時間は約90分、入院期間は約14日間です。当院では予想以上の出血に備え自己血(自分の血液を入院前に貯めておき冷凍保存しておきます)を400ml貯めておきます。人工膝関節置換術(TKA)は日常生活の改善の改善が期待でき疼痛がなくなり歩行、歩容(びっこをひかない)には有効なツールです。当院では手術直後の疼痛軽減の手段としてカクテル療法(痛み止めや止血剤などを手術創内に投与)を行い術後の痛みや出血を和らげ早期回復を期待します。
人工膝関節置換術(TKA)は内側も外側も全部を人工関節に入れ替えますが、一部分だけを変える人工関節単顆置換術(UKA: Unicompartmental Knee Arthroplasty)もあります。UKAは変形が比較的軽度で、まだ靭帯や骨の変形が少ない膝関節症が適応となります。
UKAの手術時間はTKAと比べ短いです。最近は人工膝関節置換術を行いスポーツ(ゴルフ、テニス、山登りなど)を楽しむ患者さんも増えております。UKAはさらに回復が早い人工膝関節です。
どちらが適用になるか、患者さんの変形の度合と相談しながら進めていきます。
特色
人工膝関節置換術は疼痛がなくなり膝がまっすぐになり歩容もきれいになり周りの人からもびっくりされると思います。当院では人工関節が入っていることを忘れてもらうことを目標にして手術を行っています。
-
人工膝関節置換術(TKA)
(当院での症例) -
人工関節単顆置換術(UKA)
(当院での症例)
人工肩関節置換術
肩が痛くてあがらない。夜痛くて眠れないなど困っている患者さんは年々増加してきています。昨今、高齢者が多く健康寿命も延びてよりよい生活を望まれる方が多いのが一因ではないかと考えています。肩関節痛の場合、腱板断裂が原因で肩の痛みや挙上できない患者さんは、鏡視下で腱板を修復する腱板縫合術を行います。さらにまた腱板断裂に加えて軟骨の消失や骨変形を伴う病変では人工関節の適応となります。
腱板機能修復が不能な肩関節には「リバース型人工肩関節置換術(RSA)」が適応になります。 RSAは日本整形外科学会の定めるガイドラインに既定を満たした医師しか手術ができません。RSAは、当センター部長小林英生医師の留学先であるフランス発祥の人工関節術です。
手術方法とリハビリについて
まず肩の前方を10-15cm程度切開します。肩関節を露出し、変形した上腕骨骨頭部を切除し人工関節を挿入します。関節窩側を置換する場合は、損傷した表面を削りとり人工関節を挿入します。手術は通常2時間くらいで出血も200ml程度です。
手術翌日にはベッドから起き、歩くことが可能です。術後数日後から可動域訓練のリハビリを開始します。術後の経過にもよりますが入院は通常2週間程度です。
肩関節は股関節や膝関節と比べてリハビリが非常に重要になってきます。退院後も外来リハビリを継続し、計4~6ヶ月程度リハビリが必要です。手術によって痛みはだいぶ緩和されます。しかし得られる肩関節の可動域獲得に関してはリハビリが最大要因です。人工肩関節手術はリハビリを継続し頑張られる方にお勧めします。
医師紹介
部長
小林 英生
資格等
- 医学博士
- 日本整形外科学会専門医・指導医
- 日本整形外科リウマチ医
- 日本整形外科学会スポーツ医
- 日本人工関節学会認定医
- SICOT(Société Internatinale de Chirugie Orthopédique et de Tranmatologie
Internatinal Society of Orthopaedic Surgery and Traumatorogy) active member
その他
- 順天堂大学(平成12年卒)
- Santy Orthopedic Center in Lyon(フランス) clinical fellow.
- Corail Arthoro group clinical fellow.(2016年)
- 順天堂医院股関節診(毎週水曜日PM外来)
医長
中嶋 理子
資格等
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会スポーツ認定医
- 日本体育協会公認スポーツ医
- 日本整形外科学会リハビリテーション医
非常勤
石島 旨章
資格等
- 日本整形外科学会専門医(代議員)
非常勤
渡 泰士
資格等
- 日本整形外科学会専門医
非常勤
金子 和夫
資格等
- 日本整形外科学会専門医
- 日本リハビリテーション学会専門医
- 日本リウマチ学会専門医
非常勤
松尾 智次
非常勤
小畑 宏介
非常勤
古川 直樹
非常勤
山見 優花
非常勤
多田 弥生
非常勤
武田 純
非常勤
窪田 大介
非常勤
福本 怜
外来担当医師表
整形外科(4階)
診療受付時間
午前8:30~11:00 午後1:00~4:00
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
整形外科外来 | 午前 | 小林 英生中嶋 理子〔受付 11:00 まで〕 |
石島 旨章金子 和夫(4)並木 康治〔受付 11:00 まで〕 |
小林 英生山見 優花〔受付 11:00 まで〕 |
松尾 智次福本 怜〔受付 11:00 まで〕 |
小畑 宏介中嶋 理子〔受付 11:00 まで〕 |
河村 優人(1)古川 直樹(2)武田 純(3)松尾 智次(5) |
午後 | 東村 潤 | 担当医 | 多田 弥生 | 渡 泰士 | 小畑 宏介 | ||
救急対応 | 午後 |
月〜金 13:30-17:00 |
- ( )の数字は週数
- 〔 〕の数字は時間